免責不許可事由ってなに?自己破産ができないこともあるってほんと?

免責不許可事由って初めて聞く言葉だけど一体なに??

keiくん

博士

この記事では免責不許可事由とは何か説明していくぞ

免責不許可事由について

免責が分かればおのずと意味がわかる

そもそも免責とは何かわかれば免責不許可事由の意味もだいたいわかってきます。

免責とは破産者が借金を返さなくてもいいと裁判所に認めてもらうことを言います。そして免責が認められないことが免責不許可です。つまり免責不許可事由とは、免責が認められない理由をまとめたものです

意味はわかったけど、免責不許可事由に当てはまってしまうと一体どうなってしまうんだろ。。。

keiくん

取り立てが再開してしまう?

免責が不許可になると貸し手である債権者は取り立てや請求ができるようになります。また訴訟されたり差し押さえの手続きが取られてしまう可能性もあります。

ただ実際は不許可になったからといって消費者金融などの業者が破産者に連絡することは少ないようです。なぜなら免責不許可の事実は破産者だけにしか通達されないからです。

破産法は免責不許可になったとき、破産者に知らせることを義務付けていますが債権者に知らせることは義務付けていません。だから結局のところ業者は自ら調べない限り不許可だとわからないわけです。

そしてたとえ発覚しても請求されることは滅多にないと考えられます。業者は自己破産を始めること自体は通達があり知っています。自己破産を始めた時点で返せないというのは明らかなわけです。

すでに返済能力や財産がないことはわかっているのでほとんどの業者はこれ以上何か行動することはなく、返してもらえなかったお金は損金として計上して終わらせるようです。

免責不許可事由に当てはまらなければ絶対に免責される

免責不許可事由に全く当てはまらなければ必ず免責されます。なぜなら破産法に載っている免責のルールは消去法のようなものだからです。

つまり「この場合なら免責される」とは書かれておらず「これらに当てはまらなければ免責していいよ」と書かれています。そして当てはまってはいけないものが免責不許可事由になります。

裁判所が新しく理由を作って免責を許可しないということはありません。

たびたび問題になる免責不許可事由のまとめ

博士

これから紹介していく破産法252条が免責不許可事由と言われているよ。よく問題になるものだけをピックアップしていくぞ!

無駄遣いやギャンブルが原因だとダメ

破産法252条 4項
浪費または賭博、その他射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと。
ギャンブルやFXで作った借金では自己破産できないって意味だね

keiくん

ギャンブルでは自己破産できないと言われるのはこの文があるためです。

またFXなども射幸行為とされ免責されないことがあります。また無駄遣いを意味する浪費も免責されないことがあり、身の丈に合わない買い物や生活を続けていた場合もNGです。

しかし注意してもらいたいのが、たとえ浪費やギャンブルが原因であっても多重債務を抱えてしまっている以上は自己破産が認められるということです。免責不許可事由に当てはまっても絶対だめなのではなく免責できるかがグレーであると捉えましょう。

財産を隠したり壊したりしたらダメ

破産法252条第1項1号
債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
財産が自分のものじゃなくなるからって勝手に何かしていいわけじゃないんだね

keiくん

自己破産すれば差し押さえられるとわかっている財産を隠したり、名義を変えたりしてはいけません。

確かに自己破産で没収される財産は破産者のものだけなので名義を変えれば大丈夫と考えるかもしれません。ただ自己破産前に意図的に行えば免責は認められなくなる場合があります。

たとえば車や家の名義を配偶者や自分の親といった人に変えて残しておこうとするとアウトです

注意
財産を隠したり名義を変更したら破産詐欺罪にあたる可能性があります。破産詐欺罪は非常に重い罪です、有罪になると協力者も罰せられることがあり、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方が課せられるます。

特定の債権者にだけ支払いを行ったらダメ

破産法252条第1項3号
特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
限られた人や会社にだけ返済したらダメなんだね

keiくん

自己破産の手続きを開始する直前や途中に、特定の会社や知人にだけお金を返してはいけません。この行為とは偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれていて免責不許可となる可能性があります。

なぜ偏頗弁済がダメかというと破産者の財産は債権者に公平に分けなければいけないと定められているからです。

車の差し押さえを逃れるためや親戚や知人には迷惑をかけないために、限られた会社や人だけに返済することは絶対にダメです

嘘をついてお金を借りたりカードを使っていたらダメ

破産法252条第1項5号
破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。
自分が自己破産するとわかっていながら、嘘をついてお金を借りたり、カードをつくって買い物をしていたらダメです。

もしカード会社に嘘の年収を言ってカードを作り、キャッシングを利用していたら自己破産が認められないことがあります。

クレジットカードの現金化をしていたらダメ

破産法252条第1項2号
破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
今よくあるのが現金化といった行為だね

keiくん

お金を借りにくくなった時に手を出してしまいがちなのがカードの現金化といった行為です。もちろんカードの現金化はアウトです。そもそも、どのカード会社も現金化は認めていません

現金化とは高額なブランド品などをカードのショッピングでの利用限度額をギリギリまで使って買い、再び売ることで現金を得るというものです。カードの現金化を手伝う業者もあり、中には商品を買った値段の9割以上で買い戻してくれると宣伝している業者もいます。

現金化の業者は破産を恐れてお金の借り手を探している人たちの弱みにつけ込んだ商売をしていて、ほぼ全て悪徳だと考えて構いません。そもそもカード会社が認めていない行為なのでカードの現金化は絶対にやめましょう。

裁判所の調査に協力しなかったらダメ

破産法252条第1項8号
破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。
自己破産で破産者が裁判所に行く機会があるけど、誠実に受け答えしなきゃいけないんだね

keiくん

自己破産の手続きはほとんどを弁護士に任せることになりますが、だからと言って弁護士に丸投げしてはいけません

破産手続には破産者自身が裁判所に出頭して質問を受ける機会が必ずあります。そういった場に行かなかったり、不誠実な答え方をすると破産が認めれれず借金は残ったままになります。

7年前までに自己破産していたらダメ

破産法第1項10号
次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日
ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日

7年前までに自己破産して免責になっていたら、再び自己破産になることは認められません。また個人再生やハードシップ免責を受けている場合のダメです。

もし自己破産しているのに再び借金が返せなくなったら自己破産という道は絶たれてしまうということを覚えておきましょう。

免責不許可はほとんどない

自己破産を認めてもらうのってかなり難しいのかな?

keiくん

博士

免責不許可になること自体がレアだよ。実際は誠実に対応していれば認めれることの方が多いぞ

免責不許可になるのは全体のたった0.2%

自己破産の申し出のうち、免責不許可となるのはたったの0.2%と言われています。

そもそも自己破産が借金地獄にはまった人を救って生活を立て直すチャンスを与えようというものなので、基本的に申請されたら自己破産は認めようというのが裁判所のスタンスです。

ただやはりこの事実を知って不誠実な態度や行為で自己破産に望めば、0.2%の不許可の方になるということを肝に銘じておいてください。自己破産は誠実でかつ同じ過ちは繰り返さないと誓っている人に与えられるチャンスなのです。

免責不許可事由に該当しても裁量免責される

なんでこんなに免責不許可になる人が少ないの?

keiくん

博士

免責不許可に当てはまっても裁量免責されるからじゃよ
破産法252条の第2項では、第1項で述べられている免責不許可事由に当てはまる場合でも、裁判所が許可すれば免責を認めていいということが述べられています。
破産法252条第2項
前項の規定にかかわらず,同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても,裁判所は,破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。

ただし裁量免責を受けるには誠実な態度で借金と向き合う必要があります。具体的には、裁判所にきちんと出向いて事情を説明したり、一定期間の猶予の中で家計を改善することが求められたりすることがあります。

ギャンブルやFXが原因でも自己破産を諦めなくていい

博士

ギャンブルやFXでできてしまった借金でも、きちんと向き合っていれば裁量免責してもらえる可能性があるぞ
ギャンブルが原因だから自己破産できないと最初から諦める必要はありません。なぜなら裁量免責される可能性があるからです。

ただ正直なところ免責不許可に当てはまる破産者が裁量免責されるかは依頼する弁護士の腕にかかっていると言っていいでしょう。なぜなら裁判所と実際頻繁にやりとりするのは弁護士であり、裁判所に破産者が免責されるのが適当だと証明するのが彼らの役目だからです。

弁護士は決して単に申請の書類を準備して手続きしてくれる人たちではありません。力を借りながら借金を解決していましょう。

もしも免責不許可になった時の対処法

免責不許可になることがレアなのはわかったけど、もし不許可になったらどうしよう。。。

keiくん

博士

もちろんまだまだ借金を解決する手段は残っているぞ

即時抗告する

免責不許可の判決が出てもまだ覆るチャンスはあります。即時抗告という申し立てがあり、判決が出て一週間以内であれば即時抗告して免責不許可の決定に反論することができます。

もし反論が通らなければ、今度は高等裁判所という一つ格上の裁判所で再び審議されることになります。

個人再生にシフトチェンジする

免責不許可の決定が変わらなければ自己破産を諦め、個人再生といった方法に変えるしかありません。

個人再生とは借金を2割から3割程度減らしてもらい、3年間で返済する計画をたて裁判所に認めてもらう手続きのことを言います。自己破産と違い借金を返す義務は残りますが負担を減らすことはできます。

なぜ自己破産できなくても個人再生ならできるのかというと、個人再生はたとえギャンブルやFXが原因の借金であっても認められるからです。

個人再生に借金を抱えた理由や原因は全く関係ありません。自己破産が認められなかったら個人再生にシフトチェンジしましょう。

注意
個人再生は何らかの安定した収入がなければできません。もし収入さえないと次に紹介する最終手段を検討することになります。

借金を放置する

最終的には借金を踏み倒すという方法が残ります。なぜ踏み倒せるかというと、借金の返済義務にはリミットがあるからです。返済義務がなくなるからです。

つまり借金は法律上は踏み倒せるというわけです。消費者金融といった会社からの借金であれば5年間、友人といった私人間での借金からであれば10年間で時効になり借金を返す必要が無くなります。5年や10年辛抱すれば借金を踏み倒せると勘違いしてはいけません

実際は多くの制約が伴う上、一生その借金と向き合い続けるつもりでいてください。踏み倒す手段に出るべきかは自分で判断せず弁護士に相談してください

なんだ借金て踏み倒すことができるんじゃん。それなら債務整理の必要なんてないんじゃない?

keiくん

博士

いやいや、借金が消えることは簡単なことではないしかなりリスクが伴うぞ

ここでは借金を踏み倒す代表的なリスクをご紹介します。

借金を踏み倒すリスク
一生借金を背負っておくことになる
時効はリセットされる
一生クレジットカードが持てない

借金が一生残っていることの精神的な負担は想像を絶するものでしょう。常に債権者になにか行動される可能性があります。具体的にいうと訴訟であったり給料の差し押さえといったものです。これらのプレッシャーに立ち向かい続けることは難しいはずです。

時効は5年や10年きっかりではありません。実はもし債権者が裁判所に訴訟したり、一円でも返したりしてしまったらその時点から再び時効がカウントされるんです。

たとえば債権者である業者がずっと催促し続ければ時効には至らず、借金はずっと残り続けます。借金には時効があるからと安心はできません。

たとえ踏み倒すことに成功してもクレジットカードは生涯利用することはおろか、持つこともできません。なぜなら信用情報はずっとブラックのままになるからです。

ちなみに自己破産したり何らかの方法で借金を解決できれば、ブラックではなくなり再びクレジットカードが使えます。単にクレジットカードが持てないという意味ではなく一生社会的な信頼を失ったままになるということは最も大切です。

博士

踏み倒していいことはひとつもないぞ。収入がなければ可能であれば一刻も早く職を見つけせめて個人再生ができるようにすべきじゃ。

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